夏バテとは暑さや湿度、紫外線などによって体に負担がかかり、疲労や食欲不振、だるさなどの不調を感じることです。夏バテになると免疫力や代謝が低下し、体調不良の原因となることがあります。しかし夏バテは予防できます。
本記事では夏バテ防止のメカニズムや種類、夏バテ防止に効果的な栄養素の摂取方法、食事法について解説します。夏バテ防止について理解を深め、より快適な夏を過ごしてみましょう。
本日のトピック
夏バテの原因3つ
夏バテ防止に効果的な栄養素の摂取方法
夏バテ防止に心がけたい食事法
まとめ
夏バテの原因3つ
「夏バテ」という言葉はよく耳にしますが、具体的にどんなものか分からないという方も多いでしょう。一言で言えば暑さに負けない体を作ることです。
夏バテになる主な原因は以下の3つです。
①水分・ミネラルの喪失
暑さで大量に発汗すると、水分やミネラル(特にナトリウムやカリウムなどの電解質)が失われます。これにより血液量が減少し、血圧が低下したり、筋肉や神経の働きが低下したりします。また、水分不足は体温調節機能を低下させ、熱中症の危険性も高めます。
②エネルギー代謝の低下
暑さで体温が上昇すると、エネルギーを消費する基礎代謝が上昇します。しかし、食欲が落ちてエネルギー源である糖質や脂質、タンパク質の摂取量が減少すると、エネルギー不足に陥ります。これにより疲労感や倦怠感が増すだけでなく、免疫力や筋力も低下します。
③活性酸素の増加
暑さや紫外線は体内で活性酸素を増加させます。活性酸素は細胞やDNAにダメージを与えて老化や病気の原因になることがあります。しかし、抗酸化作用によって活性酸素の害から体を守ることができます。
夏バテ防止には、この3つの原因に対応した栄養素を摂取するのが重要です。つまり、
- 水分・ミネラルを補給する
- エネルギー源である糖質や脂質、タンパク質を摂取する
- 抗酸化作用を高めるビタミンやポリフェノールなどを摂取する
ことが必要です。
夏バテ防止に効果的な栄養素の摂取方法
夏バテ防止に効果的な栄養素は、食品から摂取できます。しかし、どのような食品にどのような栄養素が含まれているのか、どのくらい摂取すれば効果的なのか、などを知っておくことが大切です。
以下に、代表的な栄養素とその摂取方法について紹介します。
水分
水分は、体内の細胞や血液を構成し、体温調節や代謝に欠かせない要素です。夏は発汗によって水分が失われるため、こまめに補給することが必要です。
水分補給には水やお茶などがおすすめですが、外で長時間の作業をする際にはナトリウムなどの電解質が失われるのでスポーツドリンクなどを活用すると良いでしょう。ただし糖質が多いので、飲みすぎには注意が必要です。
ミネラル
ミネラルは、体内で生成できない必須元素であり、水分や血液の調節や神経・筋肉の働きに関与しています。特に電解質と呼ばれるナトリウムやカリウムは発汗で失われやすく、不足すると倦怠感や筋肉痛などを引き起こします。
ミネラルは食塩や味噌、しょうゆなどに含まれるナトリウムや、野菜や果物に含まれるカリウムをバランスよく摂取することで補給できます。また、海藻類や乾物類に含まれるカルシウムやマグネシウムも重要です。
糖質
糖質はエネルギー源として重要な栄養素です。しかし、摂りすぎると脂肪に変わってしまうので、適量を心がけることが大切です。特に夏は発汗で水分が失われると血糖値が上昇しやすくなるので注意が必要です。
糖質はご飯やパン、麺類などの主食に多く含まれていますが、果物やジュース、菓子類などにも含まれています。日本人の食事摂取基準では、糖質の摂取量は一日に50~65%のエネルギー摂取量とされています。
脂質
脂質はエネルギー源としてだけでなく、細胞膜やホルモンの材料としても重要な栄養素です。しかし、摂りすぎると肥満や動脈硬化などのリスクが高まるので、適量を心がけることが大切です。脂質の摂取量は一日に20~30%のエネルギー摂取量とされています。
脂質は肉や卵、乳製品などの動物性食品に多く含まれていますが、植物油やナッツ類などの植物性食品にも含まれています。
タンパク質
タンパク質は筋肉や皮膚、髪の毛などの体を構成する材料として重要な栄養素です。また、免疫機能や代謝にも関与しています。夏バテ防止には筋力維持や免疫力向上に役立つタンパク質をしっかり摂取するのが必要です。
タンパク質は肉や魚、卵、乳製品などの動物性食品に多く含まれていますが、大豆や豆腐、納豆などの植物性食品にも含まれています。日本人の食事摂取基準では、タンパク質の摂取量は一日に13~20%のエネルギー摂取量とされていますが、強度の高い運動をする場合や筋肉を付けたい場合は体重1kgあたり1.5~2gを摂取する必要があります。
ビタミン類
ビタミンは体内で生成できない必須栄養素であり、代謝や免疫機能に関与しています。特に夏バテ防止に重要なビタミンは以下の3つです。
ビタミンB1
糖質をエネルギーに変える働きがあります。豚肉やうなぎ、玄米、ごまなどに多く含まれています。
ビタミンB2
脂質をエネルギーに変える働きがあります。レバーやうなぎ、牛乳、納豆などに多く含まれています。
ビタミンC
活性酸素を除去する抗酸化作用があります。また、ストレスの緩和や鉄の吸収促進もします。キウイフルーツやレモン、パプリカ、ブロッコリーなどに多く含まれています。
ポリフェノール
ポリフェノールは植物色素の総称であり、何千種類もあると言われています。ポリフェノールには活性酸素を除去する抗酸化作用があります。
また、血管を強化したり血圧を下げたりする効果も期待できます。ポリフェノールは赤ワインやブルーベリー、紫芋、大豆、緑茶、ウコン茶、カレー粉、ゴマ、そばなどに多く含まれています。
夏バテ防止に心がけたい食事法
夏バテ防止に効果的な栄養素を摂取することはもちろんですが、食事の方法やタイミングも重要です。以下に、夏バテ防止に役立つ食事法を紹介します。
1日3食きちんと食べる
夏は食欲が落ちて食事の回数や量が減りがちですが、これは夏バテの原因になります。1回の食事で摂取できる栄養素や消化・吸収できる栄養素の量は限られています。そのため、1日3食きちんと食べることで、必要な栄養素をバランスよく摂取するのが大切です。
量より質を重視する
夏は食欲がわかず、たくさん食べられないという人は「量より質」を意識しましょう。例えば、そうめんなどの手軽な食事でも、具材やトッピングを工夫することで、夏バテ防止に必要な栄養素を摂取できます。また、水分やミネラルを補給できるスープやサラダもおすすめです。
食材や調理の工夫で食欲を高める
食材や調理の工夫で、食欲がわく食事にすることも重要です。以下のようなポイントに注意しましょう。
酸味を活用する
酸味は味覚や嗅覚から脳の摂食中枢を刺激し、食欲を増進させます。料理にレモンやかぼすを絞るだけでも効果的です。
香辛料や香味野菜の活用
香辛料や香味野菜は、食欲を増進させるだけでなく、消化・吸収の促進、疲労回復、血行促進など、さまざまな健康効果も期待できます。
料理の温度に注意する
夏には冷たい麺類などを食べがちですが、冷たい食べ物の摂り過ぎは胃腸の不調や体温調節機能の低下を招きます。常温あるいは温かい食べ物を摂ることで体内環境を整えましょう。
まとめ
今回は夏バテ防止の方法について解説して以下のことが分かりました。
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暑い時こそ食事のバランスが重要となってきます。今回の記事を参考にして、快適な夏を過ごしましょう。
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