ホルモンは体の働きを調節する物質です。成長や代謝、免疫、性機能などに関係しています。しかし、ホルモンの分泌や作用が乱れると、体や心に不調が起こる可能性があります。
ホルモンのバランスを整えるためには、食事や運動、睡眠、ストレス管理などの生活習慣が重要です。また、ホルモンのバランスに影響を与える栄養素もあります。
本記事では、ホルモンとトレーニングの関係について解説します。ホルモンについて知ることは結果として、筋肥大やダイエットの効率化につながります。ぜひ最後まで読んでみてください。
本日のトピック
トレーニングやダイエットと関係の深いホルモン7選
ホルモンのバランスを整える方法
ホルモンについてまとめ
トレーニングやダイエットと関係の深いホルモン7選
成長ホルモン
成長ホルモンは、脳下垂体前葉から分泌されるホルモンで、身長や筋肉、免疫などに関係しています。成長期の子どもにとっては特に重要なホルモンです。
成長ホルモンの分泌は、睡眠や運動などの生活習慣によって変化します。睡眠時に最も多く分泌されますが、加齢とともに分泌量は低下していきます。
筋トレをすることで成長ホルモンの分泌を促進することができます。成長ホルモンは筋肉の合成や修復を促すだけでなく、脂肪の燃焼や免疫力の向上などの効果もあります¹。
成長ホルモンの分泌量を増やすためには、高強度で複数セット行う筋トレが効果的です。休憩時間は短くすることで乳酸が発生し、成長ホルモンの分泌を刺激します。
甲状腺ホルモン
甲状腺ホルモンは甲状腺から分泌されるホルモンで、代謝や体温、成長や神経などに関係しています。甲状腺ホルモンの分泌は食事から摂取するヨウ素によって調節されます。
甲状腺ホルモンの分泌が不足すると基礎代謝が低下し、太りやすくなったり倦怠感が出やすくなったりします。逆に過剰に分泌されると基礎代謝が上昇し、痩せやすくなったり動悸がしたりします。
運動は甲状腺機能を正常化する効果があります。運動によって血流が良くなり、甲状腺への酸素供給が増えることで甲状腺の働きが活発になります。
副甲状腺ホルモン
副甲状腺ホルモンは副甲状腺から分泌されるホルモンで、カルシウムの調節に関係しています。カルシウムは骨や歯の構成要素であり、神経や筋肉の働きにも必要です。
副甲状腺ホルモンの分泌は血液中のカルシウム濃度によって調節されます。カルシウム濃度が低下すると副甲状腺ホルモンが分泌され、骨からカルシウムを溶出させたり腎臓でカルシウムの排泄を抑えたりします。
副甲状腺ホルモンの分泌が過剰になると骨粗しょう症や腎結石などのリスクが高まります。逆に分泌が不足すると手足のしびれやけいれんなどの症状が出ます。
筋トレは副甲状腺ホルモンの分泌を抑制する効果があります。筋トレによって骨に負荷がかかることで、骨の強度を保つためにカルシウムが必要です。そのため、血液中のカルシウム濃度が上昇し、副甲状腺ホルモンの分泌が減少します。
インスリン
インスリンは膵臓から分泌されるホルモンで、血糖値の調節に関係しています。インスリンは血液中のブドウ糖を細胞内に取り込むことで、エネルギーとして利用したり貯蔵したりします。
インスリンの分泌は食事から摂取する糖質によって調節されます。糖質を摂取すると血糖値が上昇し、インスリンが分泌されます。逆に空腹時や運動時には血糖値が低下し、インスリンの分泌が抑制されます。
インスリンの分泌が不足すると糖尿病などの合併症を引き起こす可能性があります。逆に過剰に分泌されると低血糖や肥満などの原因になります。
筋トレはインスリン感受性を高める効果があります。インスリン感受性とは、細胞がインスリンに対してどれだけ反応するかという指標です。筋トレによって筋肉量が増えることで、細胞内へのブドウ糖取り込み能力が高まります。
グルカゴン
グルカゴンは膵臓から分泌されるホルモンで、インスリンと対立する働きをします。グルカゴンは肝臓や筋肉に貯蔵されているグリコーゲンを分解してブドウ糖に変え、血液中に放出します。
グルカゴンの分泌は血液中のブドウ糖濃度によって調節されます。ブドウ糖濃度が低下するとグルカゴンが分泌され、ブドウ糖濃度が上昇するとグルカゴンの分泌が抑制されます。
グルカゴンの分泌が過剰になると高血糖やケトーシスなどのリスクが高まります。逆に分泌が不足すると低血糖や肝機能障害などの原因になります。
筋トレはグルカゴンの分泌を促進する効果があります。筋トレによって筋肉に負荷がかかることで、エネルギー消費が増えます。そのため、血液中のブドウ糖濃度が低下し、グルカゴンが分泌されます。
アドレナリン
アドレナリンは副腎から分泌されるホルモンで、ストレスや危険な状況に対応するために関係しています。アドレナリンは心拍数や血圧を上げたり、血糖値を上げたりして、体を戦闘態勢にします。
アドレナリンの分泌は交感神経の刺激によって調節されます。交感神経は興奮や恐怖などの感情に反応して活性化します。逆に副交感神経は安静やリラックスなどの感情に反応して活性化します。
アドレナリンの分泌が過剰になると不安やイライラなどの精神的な不調を引き起こす可能性があります。逆に分泌が不足すると無気力や倦怠感などの症状が出ます。
筋トレはアドレナリンの分泌を促進する効果があります。筋トレによって交感神経が刺激され、アドレナリンが分泌されます。アドレナリンは運動能力を高めたり、集中力や気力を向上させたりします。
テストステロン
テストステロンは睾丸から分泌されるホルモンで、男性らしい体型や性徴、精子や性欲などに関係しています。テストステロンは筋肥大や脂肪燃焼などにも影響を与えます。
テストステロンの分泌は年齢や時間帯によって変化します。若い頃に最も多く分泌され、加齢とともに分泌量は低下していきます。また、朝方に最も多く分泌され、夜間に最も少なく分泌されます。
テストステロンの分泌が不足すると筋力や性欲の低下やうつ症状などの原因になります。逆に過剰に分泌されると攻撃性やイライラなどの精神的な不調を引き起こす可能性があります。
筋トレはテストステロンの分泌を増加させる効果があります。筋トレによって大きな筋肉を使うことで、テストステロンの生成が促進されます。
ホルモンのバランスを整える方法
ホルモンのバランスを整えるためには、食事や運動、睡眠、ストレス管理などの生活習慣が重要です。また、ホルモンのバランスに影響を与える栄養素もあります。
以下で具体的に紹介します。
ホルモンバランスを整える生活習慣3選
生活習慣とホルモンバランスには大きな関係があります。ここでは代表的なものを3つ紹介します。
睡眠
睡眠不足は成長ホルモンやメラトニンなどの分泌を低下させます。逆に十分な睡眠はエストロゲンやテストステロンなどの分泌を増加させます。睡眠時間は7~8時間程度が目安です。
運動
運動は甲状腺ホルモンやインスリンなどの分泌を正常化し、代謝を高めます。また、アドレナリンやテストステロンなどの分泌を促進し、運動能力や気力を向上させます。運動強度や時間は個人差がありますが、週に3~4回程度が目安です。
ストレス管理
ストレスはコルチゾールやアドレナリンなどの分泌を過剰にし、心身に悪影響を及ぼします。逆にリラックスすると副交感神経が優位になり、エストロゲンやオキシトシンなどの分泌を増加させます。呼吸法や瞑想法などでストレスを解消しましょう。
ホルモンバランスを整える栄養素4選
栄養素もホルモンバランスと密接に関わっています。上記紹介したホルモンと関係の深い栄養素を4つ厳選しました。順に紹介します。
タンパク質やアミノ酸
タンパク質やそれを構成するアミノ酸は筋肉や骨などの構成要素であり、ホルモンの原料でもあります。特にアルギニンやオルニチン、リジンなどのアミノ酸は成長ホルモンと深い関係があります。1日あたり体重1kgあたり1~1.5g程度が目安です。
脂質
脂質は細胞膜や神経伝達物質などの構成要素であり、コレステロールは女性ホルモンであるエストロゲンやテストステロンなどの原料でもあります。脂質は飽和脂肪酸よりも不飽和脂肪酸を多く摂取することで、血液中のコレステロール値を下げることができます。1日あたりエネルギー摂取量の20~30%程度が目安です。
炭水化物
炭水化物はブドウ糖としてエネルギー源になりますが、摂りすぎるとインスリンやグルカゴンなどの分泌が乱れます。炭水化物は糖質の吸収が遅い玄米や雑穀などの難消化性デンプンを多く摂取することで、血糖値の上昇を抑えることができます。1日あたりエネルギー摂取量の50~60%程度が目安です。
ビタミン・ミネラル
ビタミン・ミネラルはホルモンの合成や分泌に必要な補酵素やコファクターとして働きます。特にヨウ素は甲状腺ホルモンの原料であり、カルシウムは副甲状腺ホルモンの調節に関係しています。ビタミン・ミネラルは野菜や果物、海藻や乳製品などからバランスよく摂取しましょう。
ホルモンについてまとめ
今回は以下のことが分かりました。
- ホルモンは代謝や免疫、身体の様々な働きと関係している
- ホルモンをコントロールすることはダイエットやトレーニングの効率化につながる
- 栄養素はホルモンと密接な関係がある
ホルモンは私たちの健康を維持するために非常に重要なものです。アミノファイナルには成長ホルモンを分泌させるアミノ酸が含有されています。ダイエットやトレーニングに最適ですので、ぜひご活用ください。
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