クエン酸についてどんなイメージをお持ちでしょうか?
「とりあえず、すっぱい?」
「レモンに入っている?」
「疲れがとれる?」
このようなイメージでしょうか。
実はクエン酸には、健康にとって良い効果がいくつもあります。
また運動する方にとって嬉しい効果も。
この記事では、クエン酸の基本的な特徴や健康効能、さらにはクエン酸サプリメントの活用方法について分かりやすく解説します。読み終える頃には、クエン酸についての理解が深まり、今後のトレーニングに役立てられるかもしれません。
本記事のトピック
クエン酸について
クエン酸は、柑橘類の果物に多く含まれる有機酸の一種です。柑橘類と言えば、レモンやオレンジなどの酸味が特徴的な果物を思い浮かべることでしょう。その酸味の正体がクエン酸なのです。
クエン酸を多く含む食材としては
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特に梅には果実の中でもクエン酸の含有量がトップレベルに多い食材です。クエン酸は、すっぱい食品に多くふくまれる栄養素と言えます。
クエン酸の働きについて
クエン酸は私たちの体内で、さまざまな役割を果たします。細胞内に存在するミトコンドリアで、クエン酸はエネルギー産生に関与し、私たちの身体機能を維持してくれます。これにより以下のような効果が期待できます。
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順番に紹介していきます。
・エネルギー生産を効率化する
クエン酸はエネルギー生産を効率化し、糖質や脂質、タンパク質などの栄養素を効率よくエネルギーに変換します。
これはクエン酸回路というクエン酸が引き金となって、ATPというエネルギーを産出する身体の仕組みに由来します。
例えば、食べ物から取り入れた栄養素はクエン酸に変換され、それがクエン酸回路を経てエネルギーになります。このエネルギーは私たちの身体機能を支え、日常生活や運動を可能にします。
つまり、クエン酸を摂取することはこのエネルギー生産を効率化する可能性があるのです。糖や脂質が効率的に利用されると、結果としてダイエット効果も狙えます。
・疲労回復
クエン酸は疲労回復にも関与しています。運動や身体的な活動を行うと、乳酸という物質が筋肉中に蓄積され、疲労感を引き起こします。
クエン酸は乳酸を分解する働きを持っており、乳酸の蓄積を抑制して疲労を軽減する効果があります。
そのためスポーツ選手や運動習慣がある人など、運動による疲労を回復させたい方にとって、クエン酸は重要な栄養素となっています。
・尿酸値を下げる
尿酸値を下げるためには、クエン酸は一つの手段として考えられます。尿酸は体内で生成される物質であり、高尿酸血症による痛風や腎臓病のリスクがあります。クエン酸は、尿酸の排泄を促進する作用があり、尿酸値の上昇を抑える効果が示唆されています。
クエン酸は尿のpHをアルカリ性に変えることにより、尿中の尿酸の溶解度を高め、結晶化を防ぐと考えられています。これにより、尿酸結晶の生成や尿酸結石の形成を抑制し、尿酸値を下げることができます。
ただし、クエン酸だけで尿酸値を劇的に下げることは難しい場合もあります。尿酸の生成は食事や遺伝的要素など複数の要因によって影響を受けます。そのため食事習慣の改善や総合的アプローチが重要です。
・抗酸化作用
クエン酸には抗酸化作用があります。抗酸化作用は細胞の酸化ストレスを軽減し、老化や病気の予防に役立ちます。また、クエン酸は消化器官の働きを促進し、消化不良や便秘の改善にも寄与します。
クエン酸と運動パフォーマンスの関係
クエン酸はトレーニングする方に効果的な栄養素です。
クエン酸の具体的なメリットは上記で紹介しましたが、トレーニングとの関係はどうでしょうか。先ほどお伝えした「疲労回復」「エネルギー生産を効率化」などは特に関係がありそうですよね。
ここでは運動と絡めてクエン酸の活用方法について具体的に説明します。順番に見ていきましょう。
・クエン酸は、疲労回復に効果があるとされている
私たちの細胞内には、エネルギーを生み出すシステムである「クエン酸回路」と呼ばれるものが存在しています。クエン酸を摂取することで、このシステムが活性化されることが期待されています。実際の研究でも、運動後にクエン酸を摂取した人と偽薬を摂取した人を比較した結果、4時間後の疲労レベル(Visual analogue scaleによる判断)が有意に低下したことが示されています。[i]
・クエン酸はBCAAと摂取することで筋損傷を軽減する可能性
さらに、最近の研究では、運動中にクエン酸とBCAA(分岐鎖アミノ酸)を同時に摂取することで、血清CPK値の上昇が抑制され、筋損傷を軽減する可能性が示唆されました。[ii]CPKとは筋肉に多く含まれる酵素であり、筋肉が傷つくと血中に流れ出し、血中のCPKが上昇するという特性を持っています。略してCKと呼ばれることもあります。
・クエン酸を摂取する際の注意点
副作用は少ないですが、下痢や胃の不快感などの消化器症状の報告があります。摂取する際はメーカの推奨量にとどめるようにしてください。
また、妊娠中や授乳中の方は、クエン酸自体の影響は問題ないのですが、サプリメントだとクエン酸以外の成分が含有されているため注意が必要です。使用前に主治医に相談するのが無難でしょう。
まとめ
今回はクエン酸について、以下のことが分かりました。
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クエン酸はトレーニング後の疲労回復にピッタリの栄養素です。アミノファイナルにもクエン酸が含まれています。上手にクエン酸をトレーニングに取り入れて、運動後の疲れを軽減してみてはいかがでしょうか?
[ii] グリコ
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