【驚愕】パンプアップと筋肥大の関係性について


シトルリンアルギニンという2つのアミノ酸が,一酸化窒素(NO)による血管拡張で様々な恩恵をもたらす可能性について先日お伝えしました。

その中でもなんとなく理解しにくいのが、パンプアップではないでしょうか。

 

そもそもパンプアップってなに?と思われる方も多いのではないでしょうか。

知っている方でも運動後の一時的な筋肉の張り、もしくはむくみなんて考えている方もいらっしゃると思います。

 

実は…パンプアップは筋肥大と関係があると考えられています。

 

以下、パンプアップについて詳しく見ていきましょう。

 

パンプアップとは?

 

 図1:パンプの仕組み  出典https://waitgain.hatenablog.com/entry/2018/10/10/151200

 

 

上記図はパンプアップのメカニズムの一例です。メカニズムは不明な点が多いとされていますが、一言でいうと筋肉が水を引き込んで一時的に太くなっている状態です。

 

所説ありますが順を追ってみていきましょう。

まずトレーニングなどによる筋負荷によって乳酸やアデノシンなどの疲労物質が発生します。

それらが筋肉やその周辺の細胞内に蓄積し、これを薄めるために血管から水分を引き込みます。これは体の状態を一定に保つ体の仕組みがあるからです。

 

結果、筋肉が大きくなり血管を圧迫します。そして溜まった水の帰り道を塞いでしまいます。ただこのピークは10秒弱で終わりを迎え、その後血流は再開します。その時に壊れた筋肉には色々栄養(グリコーゲンなど)が必要となり血流が増大するため、血管が浮き出てきます。

 

個人的には「筋肉が壊れて水を引き込んだ後、それによって筋肉が大きくなる」

これだけ、知っていれば十分だと思います。

 

注意点として、むくみ=パンプアップと誤解されている方が多いです。

むくみは老廃物が重力によって体に滞留する現象です。なので足がむくむことが多いんですね。また同じく筋肥大=パンプアップと誤解されている方も多いです

筋肥大は筋肉の損傷をリカバリーした際に筋繊維そのものが大きくなる現象です。上記のパンプアップと全然違いますね。

 

パンプアップと筋肥大の関係

 

ここから本題です。

冒頭で述べた通り、パンプアップと筋肥大には相関があると考えられています。

 

具体的な研究例は?

若年男性を対象にした研究で、各々足のトレーニングを週3回実施しました。そして大腿四頭筋の状態について超音波測定器で追跡調査した結果、なんと6週間後の筋肥大率は初回のトレーニング直後のパンプアップ率と優位な相関があるとされたのです。1)

これはトレーニング後のパンプアップが大きいほど、その後の筋肥大が大きい可能性を示すものです。パンプアップは単なる、一時的に筋肉が大きくなる現象ではなさそうですね。

 

なぜパンプアップと筋肥大に相関がある可能性があるのか?

一番有力なのは、適切なトレーニングの根拠とする説です。

パンプアップを十分に起こすためには、トレーニングである程度追いこむことが必要です。

パンプアップを十部に起こすトレーニングにおいては、結果として成長ホルモンやインスリンの分泌が促され筋肥大が促進されると考えます。

 

また個人的にはパンプアップ後の血流促進が、グリコーゲンやその他アミノ酸などの栄養素を十分に筋肉に運んでくれることも、筋肥大の要素と思われます。

 

またトレーニングでの追い込みが目に見えて確認できるので、特に男性はモチベーションにつながる方も多いと思います。上記メカニズムを考えれば分かるのですが標的部位のみにパンプアップは起こります。足を鍛えて腕がパンプアップすることはありません。

この特徴は、トレーニング成果の指標として非常に優秀ではないでしょうか。。

 

余談ですが、あのアーノルド・シュワルツェネッガーもパンプアップのとりこだったとか…

パンプアップは、すぐに体感できるので中毒性があるのかもしれませんね。

 

パンプアップを高める方法

 

今回は簡単にまとめてみました。

 

・負荷の抜けない運動(稼働域は狭くなっても良い)

・インターバルを短くする(1分程度)

・正しいフォームで標的部位に、十分な負荷をかける

・シトルリンとアルギニンなどの一酸化窒素(NO)を産出させるサプリの摂取

これらはパンプアップを高める可能性があります。

 

また、パンプアップするためには水が必要なので

・十分な水分摂取をこころがける

・血流をよくするため、体を温める

こんな単純なことも、重要な要素であったりします。

 

まだまだあるので興味がある人は是非調べてみてください。

 

パンプアップの注意点

 

パンプアップのみを目的とするトレーニングは個人的にはオススメできません。

極度のパンプアップでは、可動域低下でパフォーマンス低下のリスクがあります。また追い込みすぎてオーバーワークなんてこともあるかもしれません。これでは本末転倒です。あくまで手段として利用しましょう。

 

注意)NO系サプリなどパンプアップを増強させるサプリメント摂取について

運動パフォーマンスの向上など、大きくメリットが上回るので、パンプアップしすぎを気にして制限する必要は全くないでしょう。積極的に摂取して良いと思います。

 

まとめ

 

筋肥大の手段や指標としてパンプアップは非常に有効だと思います。オーバーワークには注意する必要がありますが、トレーニングをより楽しいものにするためにも、積極的に利用したいですね!

 

 

出典

1)Tetsuya Hirono et al. Relationship Between Muscle Swelling and Hypertrophy Induced by Resistance Training. J Strength Cond Res. 2022, 36(2), p.359-364.

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